道路に積もった圧雪がもたらす危険

全国有数の豪雪地帯として知られる新潟県。2022年12月には記録的な大雪により中越地方が大きな被害を受け、柏崎市では38時間に及ぶ長い通行止めが発生しました。物流にも大きな打撃を与えたこの雪害は全国的にも報道され、「雪国」としての新潟県を象徴するようなトピックとなりました。 しかし、雪害が脅かすのはドライバーだけに留まりません。徒歩による移動にも危険が伴うのです。新潟県警が制作した資料「令和4 年 交通事故のあらまし」を見てみると、歩行者事故の発生件数は12月が特出して高くなっています。また、消費者庁と独立行政法人国民生活センターとの共同事業「医療機関ネットワーク事業」の調査では、雪害関係事故の発生状況別件数では「雪道・凍結路面での滑り等」が88件中46件と最多。雪道がドライバーだけではなく、歩行者にとっても危険であることをはっきりと示しています。
道路に積もった雪はそれ自体の重さと踏み固められることによって圧縮され、「圧雪」と呼ばれる硬い雪の塊となります。また、気温の高まる日中には積もった雪が溶け、溶けた水が冷え込む朝晩に凍結。こうして圧雪の表面は滑りやすいツルツルとした状態となり、転倒事故の原因を作り出します。ドライバーにとっても歩行者にとっても危険な道路上の圧雪ですが、分厚く硬い圧雪を割ることは容易ではありません。そのため危ないとわかってはいても放置されていることが多く、そこにさらに雪が積もり、より強固になる悪循環が起きています。

踏み固められた圧雪
踏み固められた圧雪。スコップで取り除くことは困難。

圧雪を簡単に割ることができる道具「アルミスカット」

そんな新潟の課題を解決するための製品が、新潟県見附市に本社を構える「株式会社フチオカ(以下フチオカ)」が開発した「アルミスカット」です。フチオカは研削・研磨の分野で100年以上に渡って活躍する金属加工のエキスパート。アルミスカットはその技術によって生み出された除雪用品で、道路上の圧雪を割り、剥がして除去することに特化した製品です。分厚い氷を割ることに適した「ストレートタイプ」と少し厚い氷を剝がすことに適した「曲がりタイプ」の二種類が制作されています。フチオカのYouTubeチャンネルに使用動画がアップロードされており、その使い方や効果が確認できます。
動画にもあるように、アルミスカットは先端に針を装着した棒状の道具です。本体は軽量かつ頑丈なアルミニウム合金製で、誰でも簡単に使うことができます。フチオカの楽天ショップでの同商品のページには(2023年3月6日時点)、50代女性から「今迄はつるはしで雪氷を割って大変な労力でしたが、底から突っつくような要領で割ることが出来るので便利でした」とのレビューが寄せられています。このレビューからは、「つるはしを使っていた」という圧雪対策の厳しさと、それを簡単に解決するアルミスカットの利便性を読み取ることができます。

アルミスカット
アルミスカット。路上の圧雪を割り、剥がして除去することに特化した製品。

雪下ろし等除雪作業における事故の危険性

ここまでは雪害の危険性を交通面から紹介してきました。しかし、それと並んで深刻なのが除雪作業中の事故です。
雪に馴染みのない地域に住んでいる人からすれば、「雪かき」というとどこかのどかな風景を想像するかもしれません。しかし、先述した通り積もった雪はそれ自体がかなり重くなるため、屋根などに積もった雪を放置しておくと重さによって家屋に被害が発生します。また、屋根の上の雪が突然落下する危険性もあります。そのため豪雪地帯では屋根の上に登って除雪作業を行うことが一般的ですが、この雪下ろしもまた危険を伴うのです。
国土交通省の調査によると、豪雪地帯では除雪作業中の事故が年間1,000件以上発生しており、100人以上が命を落としているといいます。また、新潟県防災局危機対策課が発表した令和4年度の雪による被害状況の総括では、同年度には167件の人的被害と33件の住家被害が確認されています。そのうち人的被害の原因別内訳を見てみると、「雪下ろし等除雪作業によるもの」が全体の55%を占める93件と特出して高くなっています。屋根の上の雪下ろしは、除雪作業における最大の課題と言えるでしょう。

屋根に積もった雪
屋根の上の雪。雪庇となりいつ落ちてきても不思議ではない危険な状態。

地上から雪下ろしができる除雪用品「雪かきにょい棒」

先述した通り、屋根の上に積もった雪は登って除雪することが多いです。しかし、この危険な除雪方法を取らず、地上から作業を行うことができる道具をフチオカは開発しました。伸縮式の棒状の除雪用品「雪かきにょい棒」です。
雪かきにょい棒は、先端に雪をかき取る板状のヘッドを装着した道具。3.5メートルから最大6メートルまで伸張可能で、高い屋根の上に積もった雪を地上にいながら簡単にかき取ることができます。長さが調節できるため、住宅だけではなく倉庫やトラックなどに積もった雪の除去に使えることも魅力です。本体は軽量アルミパイプ製で、錆びにくく軽量、高い強度を実現。アルミスカットと同じく、力仕事が不得手な女性や高齢者でも簡単に扱うことができます。また、伸縮のために用いるハンドルは大きめに設計されており、手袋を装着した状態でもそのまま操作が可能。雪国・新潟の企業ならではの、当事者としての目線が盛り込まれたものとなっています。
また、現在販売しているものは「雪かきにょい棒2」です。「1」と比べて伸縮ジョイント部分の強度がアップしているほか、抜け落ちを防止するストッパーが新たに追加されています。製品が一度完成してもさらなる利便性を求めて改良を進めていく、フチオカの挑戦的な姿勢を感じることができます。

雪かきにょい棒
雪かきにょい棒。高い屋根の上に積もった雪を地上にいながら簡単にかき取ることができる。

交換用パーツも購入可能

固く重い積雪の除去には道具の破損が付き物です。新潟県内で暮らす各家庭の多くに除雪用品は常備されているものの、ホームセンターやスーパーマーケット等の除雪用品コーナーは冬季になると常に賑わっています。それだけ消耗が激しい分野なのです。
先述したフチオカの二つの製品は、その点でも魅力的です。アルミスカット・雪かきにょい棒は共に軽量かつ頑丈な製品だが、さらにパーツによってはスペア用品も購入することができます。つまり、どこかが破損・変形した際には丸ごと買い替えるのではなく、該当個所だけを交換するだけで修理が可能なのです。さらに、アルミスカット先端の針部分はストレートタイプ・曲がりタイプで共通のものを使用しており、雪かきにょい棒のジョイント部分やヘッド部分も同社の除雪用品「ホッカイ棒」シリーズと共通しています。予備パーツをストックしておけば、除雪作業中の急な破損の際にも手広く簡単に対応できるのです。
フチオカは大正7年に創業し、研削・研磨の業界でリーディングカンパニーとして長く活躍してきました。人々の暮らしを守るアルミスカットと雪かきにょい棒は、100年以上に渡って磨き上げられたフチオカの技術と挑戦的な姿勢、そして新潟で暮らす当事者としての目線が生み出した名品です。その利便性の高さを、是非一度体感してみてください。

ご紹介した製品

当記事でご紹介した製品は「フチオカオンラインショップ」にてお求めいただけます。

※掲載から時間が経っている製品については売り切れまたは生産中止となっている場合があります。ご了承ください。