日本車の品質を支える、燕発の鏡面仕上げ技術
― 自動車輸出が過去最高を記録した2023年、注目される日本のものづくり ―
財務省が発表した「令和5年分貿易統計」によると、2023年の日本の輸出額は100兆円を突破し、1979年以降で最大を記録しました。なかでも収益を大きく押し上げたのは、自動車・建設機械・船舶の3分野であり、特に自動車は前年比32.7%増という顕著な伸びを示しました。

日本車は燃費効率、快適性、安全性のすべてにおいて高い評価を受けています。米国の消費者誌「Consumer Reports」が2024年2月に発表した「Best Cars of the Year: 10 Top Picks of 2024」では、10車種中7車種が日本ブランド。
「スバルは2車種、トヨタは4車種を選出。シンプルな操作性と快適なキャビン設計、先進的な安全機能を兼ね備えたスマートなモデルを提供している」と称賛されています。

こうした日本車の信頼性を陰で支えているのが、新潟県燕市の東商技研工業株式会社です。同社は創業以来50年以上にわたり、「鏡面仕上げ」と呼ばれる高度な表面処理技術で、自動車をはじめ医療機器や家電など幅広い分野の品質向上に貢献しています。

東商技研工業株式会社の挑戦
― バレル研磨による精密鏡面仕上げと「鏡面加工ドットコム」 ―
「鏡面仕上げ」とは、金属や樹脂などの表面を磨き上げ、鏡のように滑らかに仕上げる加工技術です。錆や汚れの付着を防ぎ、耐久性と衛生性を高めるこの処理は、自動車部品の品質を左右する重要な工程でもあります。
たとえば、飲食店の呼び鈴や医療器具のように、常に清潔さと美観が求められる製品にも活用されています。

東商技研では、この鏡面仕上げを「バレル研磨」という手法で実現しています。研磨石・研磨剤・水を混合し、回転や振動によって均一に磨くことで、複雑形状の部品でも安定した品質を保つことができます。
同社は「回転」「振動」「遠心」など6種類のバレル研磨機を用途に応じて使い分け、数ミリ単位の小物から手のひらサイズの部品まで対応。公差0.03mm(100分の3mm)という高精度で仕上げる技術力は、国内外から高く評価されています。

また、2024年には鏡面仕上げの専門サイト「鏡面加工ドットコム」を開設。加工の可否を即時に診断できる「カスタム鏡面アドバイザー」を導入し、ユーザーが材質・形状・数量を入力するだけで相談できる仕組みを整えました。
この新サービスは、創業54年を迎えた同社が掲げる経営理念「我々はチャレンジャーである」を体現するものであり、鏡面技術をより身近なものとして広げる試みでもあります。

東商技研工業株式会社は、これからも精密加工の分野で挑戦を続け、日本のものづくりを支える存在として、さらなる進化を目指しています。